1. はじめに 落ち着いて生活と仕事ができることを願っているのですが,世の中の方向が大丈夫なのかと不安が募ります。不安は容易に人の心を支配します。確かに,最悪の事態を想定することは重要です。しかし,それがどの程度現実的なのか裏付けや吟味もない…
はじめに グラフの情報を基に,放物線を使って,発生を近似予測すると,日本は波状攻撃を受けています。何度となく下りカーブが出現するのですが,その度に,高さが前とほぼ等しい波が打ち出されます。昨年12月も下旬に入ると,以前と違って,今度は,グラフ…
はじめに 1月7日~1月9日の数値は,個人的には,参考値であると考えていますが,以下では,検査能力が通常の水準に回復していると仮定して,『第四波』の拡大を予測してみたいと思います。 1月9日時点の予測では,ピークは1月15日~1月18日で,ピーク時の新…
はじめに 緊急事態宣言にはどれほどの効果があるのでしょうか? 日本型の戦いは,オーバーシュートを経験する場合と比べて,ピークが低くなる代わりに,落下(終息)点までの時間が長くなるのが特徴です。現状でも,どこかでピークに到達しては,終息に向かうは…
はじめに まず,2020年12月31日の発生状況を確認しておきましょう。 (1) 一都三県(東京,神奈川,埼玉,千葉)が全人口に占める割合(A)は28.3%ですが,新規感染者総数に占める発生比(B)が55.5%(2,507人)で, B/A値は2.0です。東京に限って言えば,B/A値は2.8で…
はじめに 安心して仕事と生活ができる日常に一日でも早く戻ることを希求して,緊張感をもって感染対策に取り組んでいるにも関わらず,状況は一向に改善する兆しが見えません。なぜなのでしょうか? そもそも,私たちは今どのような状況に置かれているのでしょ…
0は偶数である(1) -考える喜び(と学力)を奪っているのは何か?- はじめに 数学の知識は,論理的に考えることを必ずしも保証しないようです。 (1) (「沖縄県立球陽中学校で研究授業をしました」RST. 2020年10月13日) (1)には,少なくとも,3つの問題点があり…
誰もが,誰かをねたんでいる (2) -本当は,何が面白いのか?- 学会発表に限らず,どんな発表でも,質疑応答の際に,トンチンカンな質問に遭遇することがあるのではないでしょうか? そんな時,相手の体面を損なうことなく,自分からミスに気がつくようにやんわ…
専門家は「専門家」なのだろうか?(2) 感染連鎖を可視化するすべ 前回の(2)を新たに(1)として再掲しよう。 (1) (T. Leslie et al., “What we can learn from the countries winning the coronavirus fight ”The ABC First published Mar. 26, 2020) リンク先…
緊急事態宣言は必要だったのだろうか? 専門家はオーバーシュートを最も恐れていたという。 (1) 専門家が最もおそれている「オーバーシュート」(爆発的感染)は、感染者数が2倍、そのまた2倍、さらに2倍と、「指数関数的」に増えていく状態だ。現在、国…
英語学とは関係のない話の続きです。 1. プロクルステスの寝台 文科省は,9月入学について,(1)に見るような2案を例示したという。9月入学に賛成する18知事は,これについてどう考えるのだろうか? (1) (「9月入学,文科省が2案例示 新小1対象範囲,課題多く…
「9月入学」で議論すべきポイント 今日は,英語学とは直接関係しない話になります。 はじめに 不思議なのは,「先に結論ありき」で,具体的なモデルがまったく提示されていないことです。個人的な立場から,議論すべき問題点を「モデル」を通して考えてみた…
指差しが魔法のような力を発揮する(2) 1. はじめに 前回は,「指差しが魔法のような力を発揮する」とは,どういうことか。三十字以内で書け」という設問が論理的にナンセンスであることを指摘しました。「魔法のような力」とは何か,作者自身が何も語ってい…
指差しが魔法のような力を発揮する(1) 1. はじめに 坂道を転がる。日本の地盤沈下は,まさに,そうした急激な変化において進行を始めているように肌で感じます。常に何らかの激動の中で人々は暮らしてきたと言えるのかもしれませんが,こと,これからの人々…
誰もが,誰かをねたんでいる 1.はじめに 今日は,「誰もが,誰かをねたんでいる」という文を取り上げます。本格的な議論は,学術研究の領域で行いたいと思っています。発表に応募する際の制約から,この場では,ごく基本的な事柄の,さらにその一部につい…
今日は,「天の川銀河の中心にあると推定されているのはブラックホールである」という文を取り上げます。 (1)に引用するのは,RSTのサンプル問題の一つで,「係り受け」領域に分類されています。 (1) (「リーディングスキルテストの実例と結果 (平成27年度実…
帽子をかぶっていない子供は,みんな女の子です#6 -かつて大量の水があった証拠が見つかっているのは火星である- 1. 問題の設定ができていない出題者 (1a)は,(1b)の例題で,「代名詞が何を指しているのかを正しく認識する」ことができているかどうかを診…
帽子をかぶっていない子供は,みんな女の子です#5 -Alexandraの愛称はAlexである- 教科書が読めていない出題者 今日は,(1)に引用する問題について考えてみたいと思います。 (1) (新井紀子. 2016. 「AIが大学入試を突破する時代に求められる人材育成 資料3…
帽子をかぶっていない子供は,みんな女の子です#4 -平氏は義経に追いつめられ,ついに壇ノ浦でほろぼされた- 1. 受動変形はmeaning-preservingではない 「能動文と受動文は『同義文』である」という考え方はとうの昔に否定されています。かれこれ50年近く…
帽子をかぶっていない子供は,みんな女の子です#3 -ポーランドに侵攻したのは,ドイツである- 1. 自然言語の解釈では,情報を重視する 「論理的に考える力」を評価する場合に注意しなければならないのは,日常の世界では,情報を重視するということです。 …
1. 「第一回大学生数学基本調査」の「問1-2」に着目した2つの理由 1.1. 「論理的に考える力」を正しく診断しているのだろうか? (1) 帽子をかぶっていない子供は,みんな女の子です。(All non-P are S.) 日本数学会の出題(問1-2)で不思議に思うのは,対偶を…
「日本科学哲学会第51回年次大会」の発表会場で配布した予稿集の電子媒体を掲載します(注1)。最初に,発表の場にご参加いただいた方々に,この場を借りて心から御礼を申し上げます。 「帽子をかぶっていない子供は,みんな女の子です。」 onlyの語法を考えて…